2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

つくる、のではなく、ある、のである。

再生工事というのは、目の前の古い建物を観察するところから初めて、間取りや高さ断面など外形的なことを抑えた後、最後はこれをつくった人がどんな気持ちでつくったのか、どこに一番力を注いだのか、どこで力を抜いたのか、などなど、つくった人の気持ちを…

国民の生活が第一

人の評価というのは誰しも気になるもので、言葉の安売りをしているこのブログも少しは人の目に触れているようで、Facebookの「いいね!」の数を、ちらりと見れば、キリスト教会の業界誌についての記事が一番多く、その次の「DOMA論」は、たったの「1」で、こ…

「産業」ではなく「生活」なんだよ

無理矢理「産業」にしているのがだめだよな、と思うわけです。 自動車や家電のように工業化しないと世の中に出現しない代物と違い、住まいというのは、人がこの世界に生まれたそのときから、いつでも・常に・同時に・いやでも、「ある」わけで、やはり、「産…

MINKAを学び、DOMAに行き着く。

海外の方からも、「MINKA」という表記で日本の民家は知られています。日本の伝統住宅、というのもありですが、MINKAといった方が直裁的に伝わり易いようです。 (近所の古民家)ひとことで言えば、温故知新といえますが、私たちの感覚で言うと、現代だから生…

雑誌掲載;キリスト教業界誌「ミニストリー第17号 教会建築」

キリスト新聞社の季刊誌「ミニストリー第17号」(2013年春号)が教会建築特集を組み、楢村設計時代に担当した「児島聖約キリスト教会 旧礼拝堂」が掲載されました。雑誌のサイトはこちらです。 この建物は右の欄にもリンクがありますが、明治初めに建てられ…

住宅は道具である

従来、日本人は戦後始まった近代化の流れの中で、三種の神器と共に、当時興隆しつつあった交通手段としてのクルマに対して、交通手段というよりも、ありがたい「財産」として捉えていたフシがあり、いつかはクラウン!などと言いつつ、その延長で60年後の今…

クライアントに良い席を用意するという仕事

日頃は、自分本位で専門家にしか分からないようなことを書いているこのブログだけど、たまには、分かり易いこと書いてみる。家を考える際に、何を大事にされていますか、とか、たまに聞かれるんだけど、居間ですね、一番長く過ごす居間が気持ちよくなるよう…

帽子建築宣言!

今日朝、冬物のクリーニングを受取りにクリーニング屋さんに行ったら、当たり前のように浦辺さんの作品(参考1、参考2)が隣にあったので、直立不動で、おはようございます!ありがとうございます。と挨拶をして礼をし、普段はクルマだけをクローズアップし…

作品解説:陽気な家

今までの延長戦ではなく、別の系統の家を欲するのも、人の性というもので、いままでの日本の民家をベースにしたものから、少しズラした形で別の表現を試みたのが、今回の陽気な家である。 すぐお向かいの方から「洋風な家がいい」との依頼で、この住宅は世に…

再考・土間の生活

前回のブログを書いた次の日には、なんとか賞という賞を受けたことで、一般の人は誰も知らない伊東豊雄先生が、少しは知られる建築家になったのだが、その彼が、「ヤマグチくん、建築と言うのは、建物で勝負であって説明の言葉なんか要らないんだよ、それに…