土間 is not equal 土足

先日、新しい住宅の為に、またまた、「土間」を提案してみた。普通は、土のイメージがある土間を、ぼくは、モルタルでつくることにしている。例外的に木も使うけど、木だと掃除に気を使うし、家全体に亘って、木材がふんだんに使われているので、あえて、別の素材を使った方が、メリハリが利いていて、好きだ。


(箱木千年家の土間)

ところで、日本の住宅の床が、床が地面から高く上がりきったのは、そんなに昔の話ではなくて、戦前の東北では、竪穴式の住宅がいくつもあったようだ。そもそも、床を高く上げていたのは、古い技術を以て、雨、湿気、小動物等の侵入者、等に対抗する為に、「楽だから」という理由で、地面から床を上げていたのだ。カマドで火を使う、井戸から水を汲む、という作業が、現代では、無くなったので、「土間」である理由は益々無くなって、地面から600ミリくらい高くするのが、今の日本の住宅の基準ということになっている、ようだ。だが、さらに、もっと、技術が進んだ現代では、もう一度地面に下りて行くというのもいいではないかと、考えてみる。
そのむかし、土間の効用については、いくつか書いた覚えがあるので、「土間で検索」などして、その思想の一端を感じてもらうとして、ここに来て、土間状態にするけれども、玄関で敷物などを敷いたところで、靴は脱いでもらって、高さは変わらないけれど、そこからは、スリッパなどの室内履きでの生活にしてもらうことを考えている。「ドソクの素材感」等と書いておきながら、自分でもどうかと思うが、これからも試行錯誤を重ねてきたい。そうだな、土間、という言葉ではなくて、別の言葉を考える必要もある。


(児島聖約キリスト教会の旧座敷)