団地よ、山に還れ。民よ、集落に還れ。

開発の反対語が何かと思い、「閉発」とかいう言葉で「閉発のすすめ」なんてタイトルにしようかと思ったけど、ピンと来ないので、月並みにまとめてみました。
建築という個別の話しではなくても、町というか都市レベルでも、金とモノを減らしていく傾向に、今後は進むと思います。かつて山を切り開いて、どんどん拡大していった郊外の団地たちも、住民が居なくなり、「この団地、終了!」のお知らせが、各地で始まるでしょう。住民が居なくなったから、「終了」という消極的な理由だけではなくて、公共的なインフラを維持していくお金を積極的に節約するために、積極的に住民を引越させ、積極的に団地を「終了」させる現象が各地で始まるんです。まあ、初めは山だったんだから、建物を壊して、ヨウ壁などのコンクリート構造物も壊してしまえば、10年も建てば、山の子供が生まれるでしょう。こういう文脈からいうと、自治体の執行部は、「閉発」を進める事業者に奨励金を与えつつ、その土地の固定資産税をプラス20%にするべきで、その二つを一番にやった自治体は、その年のグッドデザイン賞の大賞に選ばれて、、、。まあ、僕程度がこんなこと考えるくらいですから、どこかのコンサルの人が既に自治体への「閉発のすすめ」を説いていることでしょう。
こんなことは、高専で五年間土木工学を学んでも、そのあと、四年間建築学を学んでも、その当時の机上の都市計画の授業では、これっぽっちも出てこない議論でした。時代は変わるもんです、こうなれば、民は、かつての集落に還るべきで、集落は集落で、新しい民を迎えるべく、ちょっとだけ、そうですね、家の前の道がせめて2.4メートル幅になるように、道路を整備して、土地利用の促進を図るべきでしょう。まばらに広がるよりも、小さくコンパクトにまとまって住む方が全体のコストは下がり、人気の無いかつての集落に人が還ることで、コミュニティが復活し、自然に防犯対策にもなります。ああ、なんてすばらしんだ。団地よ、山に還れ。民よ、集落に還れ。