おそるべし、グーグル様

世界のすべてを検索してやろう、といわんがばかりのグーグル様。先日も「ブックス検索」についての和解案がアメリカの出版界と結ばれたようだが(日本は入っていません)、これができれば、希少本などの全文がパソコンを通して読めることはもちろんのこと、限定してテキストを読ませる方法によって、購入前に中身をちょこっと見れるので、出版界にとっても歓迎、ということらしい。現在は700万冊が検索可能とのこと(!)。もちろん、グーグルという私企業一つに情報が集まることにはいろいろな懸念があると思うけど、それでも、どんどん前進し続けるグーグル様の仕事はあっぱれといえるのではないか。そのグーグル様と僕の付き合いは、普段の「言葉」の検索、「画像」の検索はもちろんのこと、少し前には、グーグルアースで世界遺産なんかを旅するのが僕の周辺ではやったり、ストリートビューで観光地の雰囲気を事前に把握するなんてこともしたことがある。
それで、そのストリートビューだけど、日本で開始した頃は自分には全く関係のない話だと決め込んで、たいして見ることもありませんでしたが、12月より岡山県でもそのサービスが開始されたようで、さっそくみなければ、と思っていた矢先。電話で先輩から「山口くん、ストリートビューに載っとるよ。世界デビューじゃな。」との電話をいただく。

おお!映っている。脚立に手ぶら立ち。しかも、倉敷市文化庁の指定の文化財での仕事現場だ。前職では職場内の立場もあるが、建築史出身だからということもあってか、日常的にこのお宅のメンテナンスを任されていた。事務所の大家さんだということもあり、ずいぶんかわいがってもらった。それで数年経てば、この家に住んでいる人よりも家のことには詳しくなるほど、わかってくる。「ちょっと漆喰がはげたんじゃけど」「この建具に鍵をつけたいんじゃけど」とかいう小さなことから始まって、大きなものでは、ここここなんかもそうだし、このお店もそうです(ああ、もちろん設計者は楢村さんで担当者が僕という形でです)。この写真の工事なんかは、明治から続く建物の初めての化粧直しということもあって、これが倉敷の顔になってしまう、くらいの重大さを抱えながら、あたっていました。ただ、ここまで鮮明に写されると、最近ちょっとおなかが出てきたな、とか、そんなレベルはもちろんのこと、安っぽい服着ているな、なんてこともわかってしまう。ただ、「鼻毛出てるな」という情報までは感知できない精度なので、安心だ。