日陰の幸せ

昔マックでバイトしていた山口です。その当時はチキンタツタが新メニューでした。

日陰という言葉はどうも暗いイメージが多い。当たり前だ。日向の反対語が日陰。直射日光のあたる日向が明るいところで,あたらないところが日陰。慣用句でも日陰者,という言葉があるし,むかし「日陰のふたり」というくらいくらい映画があって,あれは,何もそこまでしなくても,というくらい,暗い映画でした。日陰でも育つたくましい観葉植物,なんて表現で,初めからハンディキャップを背負わされている植物もいるし,インターネットの光と影,という使われ方もする。そういえば,赤影というキャラクターもいたな。
ヨーロッパの影響からなのか,なんなのかよく分からないが,ここ日本でも直射日光が家の中に入らないと,イヤだという人が多い。都市部の建て込んだ商業地域っぽい住宅地ならまだしも,そうでなければ,地面に反射したり床に反射したりで室内は結構明るくなるのに,といつも思うし,それよりも,雨のことを心配したらいいのにと思う。
ここで技術情報を広めておくと,日光の角度というのは,僕の家でいうと,夏至の真昼に79度という重力で引っ張られたかのような急角度で落ちて来て,冬至の真昼には子どもの滑り台くらいな32度で,滑り込んでくる。そうだから,僕がデザインする場合,一応ひさしの先から,80度と30度の線を引いて,こんなもんでオッケイ!と自分で納得したり,時には施主さんに説明したりもする。夏の日差しは避けたいけど,冬の日光は取り込みたいというのは,自然な感覚だからその微妙なところを狙う。今年の夏は,下屋根の日陰でバーベキューをしたり,3時頃から影になる芝生の庭で子どもと一緒にする水遊びを楽しみにしている。夏の日陰,万歳。暗いの大好き。

マックでバイト中,先輩たちのドラマのような恋愛劇を目撃しました。時代はバブル期末期でその頃のドラマのようでした。若い僕には衝撃でした。未だに健在のあの店で,久しぶりにチキンタツタが食べたいです。あの二人にバッタリ会う予感がします。