竪穴式住居に出会う

総社市の南溝手遺跡で,一辺が5mの五角形平面をした竪穴式の住居が発掘されたらしい。
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_okayama/index.html?d=2009062205

竪穴式住居とは,地面に三十センチくらいの深さで穴を掘って,四角形,あるいは六角形平面などの頂点から柱を斜めに建てて,屋根を作ったもの。掘った土を周りに高く積み上げて,そこに屋根の一番下がぶつかるような感じです。屋根と地面に隙間を作ってしまうと,雨が入って困るのだ。当時は垂直な壁というものは,あまりなくて,屋根兼斜めの壁,と行った具合です。地面を掘るのは,一定の深さを掘ると,冬の寒い気温に影響されない土が出てくるから。井戸水が冬あったかいのと同じです。それと,あまり一般的には知られていないが,その屋根には,稲や茅などの植物が敷かれただけではなく,土を上から塗り固めて,植物を生やし,雨と寒さに抵抗していたらしいのだ。よくある,復元住居で一番おかしいのは,この屋根が地面から離れていることと,土が塗られていないこと。もう一つは屋根の茅があまりにも綺麗にカットされていること。当時は今のハサミなどは無かったはずで,ハサミが無いと,あの綺麗な屋根の形,特に軒先のすぱっと切り取ったシャープな線は出てこないはず。だから,集落の風景というのは,ぼさぼさのこんもりしたふくらみがそこら中にぽこぽこ盛り上がっていたような風景です。

おまけにもう一つ考古学知識を伝えておくと,よく教科書に出ていて皆さんも記憶にあると思う埴輪の話。あの埴輪はどうやらこの総社や岡山県南部辺りが発祥の地で,全国へ広がっていったらしいのです。力強い埴輪の魅力を知るには,岡山県は良いところかも知れません。

28日日曜日の午後に現地で説明会があるらしい。息子を連れて行ってこようか。